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『シルクロードと法華経』改訂版

¥1,650 税込

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始めに

この『シルクロードと法華経』を発刊するにあたり、拙著『仏教図像の研究』の末尾に記した内容をはじめに紹介します。
実は、私が博士論文を書き上げるにあたり、研究に着手する契機として、一九六八 (昭和四十三) 年十月十日、創価学会の大学会 (早大会) の会合に出席して、創価学会第三代会長 (当時) の池田大作先生に直接お会いしたことを申し上げなければなりません。
池田先生に、直接にお会いしたというのはこの時が初めてで、私が大学院修士課程に入り、美術史の研究を志していた時です。この時私は、「仏教はどのようにして伝播してきたと考えるべきでしょうか」と質問しました。池田先生は、じっと私の顔をご覧になり「『日蓮大聖人御書全集』(以下『御書』と略す)に三世各別あるべからず(諸法実相抄)とあるから、現在とあまり変わらない。『法華経』が中心となって流布してきたと思う。貴方が調べて本にして私に見せて頂きたい」と言ってくださった。この一期一会こそ、私にとっての研究の第一歩であり、その後、創価大学に奉職して、研究と教育を続ける立場に身を置くことができ実を結ぶことになります。
「三世各別あるべからず」はご存知の通り、三世とは過去世・現世・来世で、各別あるべからずとは、過去と現在、現在と未来とがそれぞれ別と考えるべきでないということです。つまり三世は続いているという意味ですし、また、三世が通じているならば、三世がよく似ているということを含んでいます。
その時ハッと気がついたのは、当時、創価学会学生部の活動を行っていたわけですが、このような活動が、過去にもあったのではないかと想ったことです。でも昔は、学生が運動したわけではないとは思います。しかし、この仏教を信奉した若い人達が集まって、続々と弘めていくという流れがあったということに気がついたわけです。では、何をもとにして弘めていったのかと言うと、池田先生は『法華経』を中心にしてと言われました。『法華経』が中心となって広宣流布してきたと思うと。これも驚きでした。
本当に言われたようになるのであろうか。これを念頭に置いて、私は学び、探求し、研鑽を続けました。その結果、嬉しいことに『仏教図像の研究——図像と経典の関係——』として完成し、関係機関に提出することが出来ました。したがって、ここで私がお伝えするのは、その抽出部分ということになります。
本書は、二〇一八(平成三〇)年十月から翌年の三月にかけて、日野市勤労青年会館で行った講演会の記録をもとにしています。各章にある質疑応答は、その時交わされたものです。内容の理解に役立つと思い、入れることにしました。また、話が重複する箇所がありますが、前後の関係で外さなかったところもあります。ご理解いただければ幸いです。

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